講演を経て
本日、虐待防止のための研修会講師を務めさせていただきました。
虐待がなぜ起こるか、あるいは、法律でどのように定められているか、といった「知識」を知ることは、当然とても大事ですが、
本日私がお話しさせていただく場の方々は、知識はもうよくご存じの方々だと想像できたので、私がお役に立てることは何かと、あれこれ考えながら準備をしました。
虐待防止。
虐待はいけない、と言われれば言われるほど、支援の場にいる方々は自分に対して管理の目を向け、周りの目が気になるかもしれません。
心が窮屈になり、自分にも他人にも厳しくなるかもしれません。
また、対人支援の場にいらっしゃる方々は、そもそも困っている人たちに何か良いことをしたいという思いが強いだけに、それがなかなか難しいという現実に出会ったときに、自分を責めたり、自分を責めるがゆえに人に頼れなくなることも往々にして起こります。
このような心情が、逆に、無意識の虐待を引き起こしてしまう、そんな危険をはらんでいると私は思います。
支援の場にいる先生たちが、知識を使うための心の整えをいかにできるか、考えたいと思います。それが私の仕事かな、と思っています。
この半年くらい、様々な場所で講演させていただきながら、自分の理論の整合性を整えている気もします。今日も、講演をしながら、そして質問を聞きながら、そうか・・と思うことがありました。でも、もう少しで自分が今の私が言えることはこれで十分かな、と認められる段階に辿り着けそうな感じがします。。
一方で、今の私が、まだまだわからない、と、試行錯誤しているからこそ、伝える場に立ったときに、生々しい現場のしんどい感じに共鳴し得る何かを発していられるのかもしれないとも思います。私がもっと何かわかりやすく話してしまったら、伝えたいことが伝わらなくなるかもしれないとも思います。
難しいですね。
しかし、今日、講演の場で皆さんと過ごした時間は、まるで、荒れた大海を乗り越え岸についた船のように、共に乗り越えた感じのする時間だったと私は感じています。今日もいらしてくださってありがとうございました。またご一緒できるのを楽しみにしております。